マクロビオティックペット
この記事はマクロビオティックの雑誌ぽとらっく2000年夏号に掲載された記事から転載しています。マクロビオティックについて詳しく知りたい方、マクロビオティックの季刊誌「ぽとらっく」を購入したい方はマクロビオティックのホームページにどうぞ。
マクロビオティック ペットフードを食べさせずに、家族と同じ物を与えている家庭も多い。動物性の食物はほとんど摂らず、穀物と野菜中心のマクロ食を実践している家庭は、きっと不安に思うだろう。「歯が犬歯ばかりで出来ている動物に穀物ばかりを与えても大丈夫だろうか?」
犬猫には肉が必要か?
市販のペットフードでは原材料に肉が入っているが犬猫には、動物性食品は必ず必要なのだろうか?
大切なペットの命に関わることなので、軽々しくは言えないが、肉なしでも大丈夫という例を紹介したい。
まずは桜沢如一氏(さくらざわゆきかず、食物の陰陽を考えた食事法マクロビオティック創始者)の著作、「生命現象と環境」から。
桜沢氏は、生まれたばかりの2匹の子犬をもらい、兄犬のポウには主として玄米ばかりを与え、弟犬のキブラには、動物性を多く与えた。
結果、「2匹の性質はまったく正反対のものになりました。ポウは誰を見てもシッポを振って近寄り、笑顔でも見せられるとすぐに仰向けに転んで腹を見せたり、ジャレたりします。ところが、キブラの方は、誰を見てもまず吠えます。」
「私が電車に乗って走ると、キブラは少しも遅れずに電車について、まるで競争でもするように早く走りますが、ポウは1丁も遅れてゆうゆうと走ってきます。それが幾停留所も過ぎますと、キブラはどんどん遅れ、しまいにはポウより遅れ(中略)、元の方へ帰って行きますのに、ポウはいつまでも同じ距離をたもって、長い間ついてきます」
この2匹の犬の違いは、まるで草食動物と肉食動物の違いそのものだ。特に強調した部分が表現の誇張でなければ、ポウは玄米を主食として食べて、問題なく成長したことになる。
マクロ犬の一例
磯貝昌寛さんという、東京に住む20代の男性は、完全な穀物菜食主義者だ。小学生の時にだしで魚を食べたのを最後に、動物性は一切体内に入れてないという。ご両親も本人と同様にまじめにマクロを実践している。この磯貝家では、犬を飼っているが、餌はマクロにしている。動物性を与えることはない。ここの犬は、この食(エサ?)生活を、目も開かない頃から続けているという。今年5歳。犬にとっては青年期ということもあるが、他の犬に遜色なく元気だと言う。
彼が師事する恩師の大森英桜氏ご夫妻のお話によると、「日本犬は穀物菜食で問題ないけれど、外国の犬は、少し痩せた感じになることがあるみたいだね」という。経験から、そうだったらしい。外国犬の飼い主は、穀物菜食を与えるのなら、様子を見ながらの方が良いかもしれない。
考える犬
アメリカでマクロビオティック運動を展開している、久司道夫氏は、こんなことも。
「犬に、マクロ食を何世代にも渡って与えつづけると、次第に知能が発達して、人間のようになります」
これはぽとらっく編集長の川野さんが、アメリカでのマクロビオティックのサマーカンファレンスで、「穀物が人間を動物から進化させたのでしたら、例えば犬に玄米食をさせていると、いつか人間までに進化するのですか?」と聞いた時の回答だ。
気の遠くなるような年月がかかるのは間違いないだろうが、犬もワープロを打つようになる日が来るのかもしれない。その時、人類が生きているかどうかは、大分怪しいけれども…
ぽっとらっく編集部のモコ
もうひとつの例。モコは今年16歳になるメスの柴犬だが、主食として玄米を与えつづけて5年になる。肉や魚は、時たまにしか与えていない。老犬なので、多少反応の鈍いときがあるが、ボケてはいなく、走れば人間より早い。心配なのでフィラリアの薬だけは与えてるが、いたって元気だ。
モコは他に4匹の兄弟がいたが、いま生きているのは、彼女だけだ。玄米を主とした食生活が、あっていたのかも知れないが、まだまだ元気で長生きしそうだ。
動物の歯について
犬歯ばかりの動物は、肉食だと思いがちだが、必ずしもそうではない。歯は、噛むということの他に,動物を捕獲するという役割もある。肉食動物が他の草食動物を捕獲する場合、臼歯ばかりだと捕まえるのに不自由するという理由から、犬歯という歯が発達したとも考えられる。
どんな肉食動物も、まず最初に捕獲した獲物の腸から食べる。草食動物が半ば消化した植物を食べるのだ。動物の本能がそうさせるのに違いない。筋肉の部分を好んで食べるのは、本能が鈍った人間だけである。
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